2021年5月18日
おはようございます。
高松市春日町ハローズ内
たかまつファミリー歯科医院
スタッフ兵頭です。
睡眠中に唾液で溺れそうになったことはありますか?
実は唾液は睡眠中ほとんど分泌されません。
この唾液が出ていないことが、朝起きたときの口臭の原因
であり、「寝る前に歯を磨いた方が良い」と言われる主な
理由なのですが、それが何故なのかについて少し詳しく書
いていきます。
実は唾液には主要なものでも7つもの作用が確認されています。
➀抗菌作用
②潤滑・粘膜保護作用
③洗浄作用
④消化作用
⑤緩衝作用
⑥再石灰化作用
⑦歯の成熟効果
量が多いので、今回はこれらのうち➀~③について書いていきます。
【➀抗菌作用】
唾液の中には、口腔内の細菌・真菌に対抗するいくつもの抗菌物質が含まれています。
中でも、
・リゾチーム…菌の細胞壁の分解
・唾液ペルオキシダーゼ…菌の細胞膜の破壊
・ラクトフェリン…菌の発育を阻害する
が有名ですが、他にもヒスタチン・分泌型IgA抗体・ディ
フェンシンなど、多くの抗菌物質が唾液中に存在します。
これらの働きにより、唾液には口腔内の細菌・真菌の繁殖
を抑える働きがあります。
【②潤滑・粘膜保護作用】
唾液には、高い粘性によって舌・頬・口唇の運動を円滑に
し、発音・咀嚼・嚥下を助ける働きがあります。
また、粘性には粘膜を保護する働きや細菌の凝集による間
接的な抗菌作用もあります。
これらの働きを担保している主要な物質にはムチンが挙げ
られますが、他にも高プロリンタンパク・シスタチンなど
様々な物質が関与しています。
【③洗浄作用】
言わずと知れた作用ですが、唾液には水分によって、細菌
や食物残渣を洗い流す洗浄作用があります。
これによって口腔内の環境は保たれていると言って過言で
はなく、非常に重要な作用と言えます。
ここまでをまとめると、唾液には
➀菌の増殖を抑制する
②歯の表面・口腔粘膜を保護する
③口腔内の菌の食べカスを洗い流す
といった働きがあり、口腔内の環境を整えるのに重要な役
割を担っていると言えます。
冒頭に書いた「睡眠中は唾液がほとんど分泌されない」と
いうことの問題点はここで、睡眠中は唾液による口腔内の
殺菌作用や洗浄作用が期待できません。
そのため、睡眠時に菌そのものや菌の栄養源となる食物残
渣が残っていると、それを足掛かりに菌が大幅に増殖して
しまうのです。
寝起きの口臭が強いのも、この菌が大量に増殖しているこ
とが原因です。
普段、口腔内環境を整えてくれている唾液ですが、その唾
液が出ていない間の口腔内環境は、自分で整えなければな
りません。
菌の数や食物残渣が少なければ、菌の増殖をある程度抑制
できるので、寝る前にはしっかり歯を磨いて、菌や食物残
渣を可能な限り減らすことがとても大切です!
唾液が出ていない間のお口は自分で守りましょう!
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