2021年7月3日
おはようございます!
高松市春日町のたかまつファミリー歯科医院
スタッフ塩田です(^^)/
今日は口腔ケアの大切さについて!です。
「外科手術を受ける前に
歯科で虫歯治療をするように言われた」
というような話を聞いたことはないですか?
実は虫歯に限らず手術の前に
歯科治療が必要なケースは結構あります。
でもそれはいったいなぜでしょうか?
《口の中の細菌が外科手術のときに悪さをする?》
口の中にはたくさんの細菌が住んでいます。
虫歯や歯周病を起こす細菌もいます 。
湿度があり温かな口の中は
細菌の格好の温床にもなっているんです。
口腔ケアを怠ると
細菌の数がどんどん増えてしまいます((( ;゚Д゚)))
こうした口の中の細菌が
外科手術の際に悪さを起こしてしまうことがあります。
実際、食道・胃・十二指腸や口腔内の手術を
全身麻酔で行うとき
患者さんの口腔内が不潔だと
手術をした部位が感染を起こすリスクが
高くなることが知られています。
口の中の細菌は唾液とともに飲み込んでしまうので
手術した部位に感染してしまいやすく
そのために治癒が遅れてしまう可能性があるんです。
さらに口の中の細菌は
実は肺炎の原因にもなってしまうことが分かってます。
お年寄りは食べ物や唾液などが
誤って気管の中に入ってしまう
「誤嚥(ごえん)」を起こしやすいことが知られています。
口の中の細菌が食べ物などと一緒に肺に入り込むことで
肺炎を起こす原因になってしまうんです。
こうした誤嚥(ごえん)性肺炎と呼ばれる肺炎は
手術後で抵抗力が下がった患者さんでは
発症するリスクが高くなります。
死に至ることもあるので
できるだけその危険は避けなければなりません!!
こうしたさまざまな感染を防ぐためには
手術の前に口の中のケアをしっかり行い
細菌の数をなるべく減らしておくことが必要なのです。
《歯のぐらつきは手術前に治しましょう!》
歯のぐらつきと外科手術を行うことには
なんの関係もないのではないか。
そう思う方も多いかもしれません。
でもちゃんと治療を受けておかないと
手術のときに歯が折れてしまう危険があるんです。
全身麻酔をともなう外科手術の際には
人工呼吸を行う必要があります。
口から喉の奥にある気管へ
直径1cm程度の管(気管チューブ)を通して
酸素や麻酔ガスの通り道を開いておきます。
これを気管内挿管といいます。
喉の奥を見る器具(喉頭鏡)を使って
気管へチューブを入れるのですが
その際に歯が折れたり欠けたりしやすい です。
特にもともと前歯がぐらついていると
歯が折れる危険が生じやすくなります。
手術前に歯科治療をしっかり受けておきましょう。
また全身麻酔の手術の場合
気管チューブを入れようとすると
口の中の細菌も気管に押し込むことになってしまうため
それによって肺炎を起こしてしまう危険もあります。
《手術前には歯科治療!》
外科手術の前に歯科治療を受けたほうがいい理由は
おわかりいただけたと思います。
でもどんな治療をすればいいのでしょうか?
まずは診察です。
そして虫歯などがあれば応急処置を行います。
ぐらぐらした歯があれば、歯の固定を行うか
抜歯をします。
気管内挿管のとき歯を保護したりするための
マウスピース(口腔内装置)を作る場合もあります。
また歯石取り、クリーニングによって
口の中の清掃を徹底します。
口腔内の歯垢(プラーク)を専門的に除去し
口の中の細菌の数を減らすことで
手術時の感染や誤嚥性肺炎を防ぐことができます!
もちろん歯磨き指導もしっかりと行います。
口腔ケアを行うことによって
平均在院日数が短くなったという報告もあるんですよ!
口の中がきれいになったことで
手術部位の感染や肺炎などが減って
退院するのが早くなったと考えられます。
今回は手術前の口腔ケアの大切さについて
お伝えしましたが
これは健康なときも同じです!
普段から口の中を清潔に保ち
口腔細菌の量を減らして
健口、健康増進に努めましょう(^^)/
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