2021年9月21日
おはようございます!
高松市春日町のたかまつファミリー歯科医院
スタッフ塩田です(^^)/
今日はお月見ですね🌕
昨日の時点で凄く月がキレイだったので楽しみです♪
さて今日は
なぜ奥歯がないと太りやすく
「肥満体型」や「糖尿病」になりやすいのか?
奥歯と健康の意外な関係をお伝えします。
20歳以上の日本人の平均の歯の保有本数は
20本未満といわれています。
自分の歯が20本以上ある人の割合は
70~74歳で63%
75~79歳で56%
80~84歳で44%
85歳以上で26%と
年齢を重ねるごとに減っていきます。
そして70歳以上の高齢者の5割は
「奥歯が1本以上無い」というデータがあります!
でもなぜ奥歯がなくなるのでしょう…
《奥歯を奪う「歯周病」の怖さ》
奥歯を失う最大の原因は「歯周病」です!!
歯周病は歯の周りの歯ぐきが腫れる
比較的軽度な炎症である「歯肉炎」から始まります。
歯肉炎が悪化すると歯ぐきから膿が出て
歯を支える顎の骨が溶け出してしまい
最終的には歯がグラついて抜けてしまいます。
これが「歯周炎」です。
歯周病の直接の原因は歯垢(プラーク)です。
歯垢とは歯の表面に付着している
細菌のかたまりのことです。
口の中にいるむし歯菌などの細菌は
砂糖などの糖分を栄養にして増殖する際に
のりのようにネバネバした多糖体を放出します。
それによってしっかり歯に貼り付いているため
うがいをしたくらいでは除去できません。
その歯垢の内部でむし歯菌が酸を作り出すことで
歯のエナメル質を溶かしてむし歯を作ります。
歯垢にはまた歯周病を引き起こす
歯周病菌も棲みつきます。
歯周病菌はむし歯菌と違って
空気を嫌う性質があります。
そのため歯と歯ぐきのすき間(歯肉溝)や
歯と歯の間(歯間)などの
空気が入りにくい場所に歯垢ができることで増えます。
歯周病菌が増えると死んでいく菌も増えて
壊れた菌の一部(毒素)が歯ぐきに炎症をもたらし
歯を支えている顎の骨を溶かします。
歯を支えている顎の骨は
破骨細胞と骨芽細胞によって
破壊と再生が繰り返されています
歯周病菌が出す毒素は
そのうちの破骨細胞だけを活性化させてしまうために
再生が追いつかなくなり
骨が溶け出してしまうんです…
通常は体内に入った毒素は
白血球が退治してくれますが
歯周病菌が増えて処理できないほど
多くの毒素が入ってくるとそれが追いつかなくなるのです。
ただし歯肉炎の段階では
きちんとしたブラッシングを行えば
元の健康な歯ぐきに戻れます。
しかし歯を支える骨が溶け始めてしまうと
ブラッシングをしても
元の健康な状態にまで戻すのは困難になります。
これが奥歯を失わせる歯周病菌の怖さです…
歯周病の直接の原因は歯垢(プラーク)ですが
間接的にはさまざまな要因があります。
たとえば喫煙者は
非喫煙者の2~8倍も歯周病になりやすい
というデータがあります。
また精神的なストレスなどが要因で起こる歯ぎしりや
歯並びの乱れ、噛み合わせの不良も
歯周病のリスクを高めて進行を加速させます。
私たちの口の中には
ふだんから無数の細菌が常在しています。
腸の中に善玉菌や悪玉菌
そして通常の状態では良いことも悪いこともしない日和見菌
がバランスをとっています。
口の中にも同じように
むし歯や歯周病をもたらす悪玉菌と日和見菌がいて
口内の健康が保たれていれば
バランスがとれている状態です。
ところが食生活の乱れや歯のケアをおこたったり
ストレスなどで口の中の細菌バランスが崩れたりすると
悪玉菌が多く繁殖することになります。
そんなときに歯周病になって
歯ぐきから出血したりしていると
歯ぐきの血管から細菌や毒素が血液の中に入り
全身に回ります。
これが「菌血症」といわれる
血流に細菌が存在する状態です。
健康な人であれば
血液中の白血球が細菌や毒素を処理し
一過性の菌血症で終わるので
大きな問題にはなりません。
《たかが歯の病気 とあなどらないで》
歯周病が悪化して細菌や毒素が
多く体内に回っているにもかかわらず
体の抵抗力が低くなっていると
全身のさまざまな臓器に悪影響を及ぼします。
歯周病はたかが歯の病気とあなどれない怖さを
秘めています。
繰り返しますが歯の健康は
健康寿命と密接に関係しています。
そしてその大きなカギを握るのが歯周病予防です。
歯周病は口の健康だけでなく
血液を介して全身に悪影響を広げる
やっかいな病気なのです。
誰もが気になる肥満ですが
これも歯の健康状態と密接な関係があります。
肥満とは体脂肪が過剰に蓄積した状態をいい
体内に取り入れられた脂肪分が
筋肉のすき間など全身のさまざまな部位に入り込み
付着する状態をいいます。
肥満には内臓のまわりに脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満と
下腹部や腰まわり、お尻などの皮下に脂肪が蓄積する
皮下脂肪型肥満があります。
とくに注意が必要なのは内臓脂肪型肥満
いわゆるメタボ(メタボリック・シンドローム)です。
メタボは、糖尿病、脂質異常症
高血圧症、心血管疾患などの生活習慣病をはじめとする
さまざまな疾患の原因となることがわかっています。
そしてメタボの人は歯周病になっていることが多く
また歯周病の人はメタボになりやすいことも
明らかになっています。
メタボになると
なぜ歯周病になりやすいのでしょうか?
メタボの原因となる肥満は
それ自体が慢性的な炎症です。
内臓脂肪の細胞から
炎症(腫れ)を起こしたときと同じ
物質(炎症性サイトカイン)や活性酸素が出され
血液の中に入っていきます。
それらが歯ぐきの組織に巡ってくると
歯ぐきの炎症を誘発し
歯周病を引き起こします。
歯周病になって奥歯がグラついたり
奥歯を失ったりすると
堅いものが噛みづらくなり
ご飯などの炭水化物や脂質の多い食事を
多く摂るようになります。
加えて噛み合わせが悪いために
あまりよく噛まずに飲み込み
そのために早食いになります。
その結果肥満になったり肥満が進んだりするのです。
そんなメタボと歯周病の悪循環に陥らないためにも
肥満には十分に気をつけなくてはなりません。
《歯磨きで「出血が止まらない人」ほど要注意》
糖尿病はすい臓で作られる
インスリンという糖を代謝するホルモンが
十分に働かないために
血液中を流れる糖(血糖)の値が
高いままになってしまう病気です。
血糖値が高い状態のままでいると
血管がもろくなるため
放置すると心臓病や失明
腎不全、足の切断といった
重い病気(合併症)につながる恐ろしい病気です。
さらにやっかいなことに
歯周病も糖尿病の合併症の一つで
歯ぐきにある血管が傷つき
歯周病菌による感染が起こりやすくなることで発症します。
そのためすでに糖尿病の持病を抱えている方
血糖値の高い方は歯周病への注意も必要です。
《歯周病は「糖尿病の悪化」につながる》
歯周病は糖尿病を悪化させます。
歯周病を起こした歯ぐきで作られた
炎症性サイトカインという物質が
血液中に入り込みます。
そしてその物質は
血糖を分解するインスリンの効きを悪くするため
糖尿病を悪化させてしまうのです。
歯周病を治療すると
糖尿病が改善することがあるのはそのためです。
ちなみにアルツハイマー型認知症は
「脳の糖尿病」とも呼ばれ
糖尿病になるとかかるリスクが高まる病気です。
つまり、歯周病・糖尿病・認知症は
とても関連が深い病気なのです!
ただし糖尿病も歯周病も
どちらも最初はほとんど症状がないため
それらの病気に罹患しても
初期には気づかないケースが多々あります。
そのため高血糖・糖尿病が歯周病を招き
歯周病が糖尿病を悪化させるという
両者が相互に影響して
負のスパイラルに陥ることがよくあります。
歯周病にならないように
しっかりセルフケアと
プロフェッショナルケアを行い予防に努め
全身の健康を維持しましょう!
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