歯並びをよくする口育て!離乳食初期のポイント!

おはようございます!

高松市春日町のたかまつファミリー歯科医院

スタッフ塩田です(^^)/

 

前回に引き続き離乳食のおはなしです。

離乳食には初期・中期・後期…とありますが

口腔機能発達不全症を防ぎ歯並びのよいこにするには

それぞれの発達段階で正しい経験を積む

離乳食の進め方が非常に大切です!

今日は離乳食初期のおはなしです(^^)

 

《離乳食初期は口唇食べ期(ゴックン期)》

離乳食の開始目安は生後5~6ヶ月ごろです。

前回のブログでお伝えしましたが

原始反射の消失を確認したら離乳食を開始します。

 

この頃のお口の中は

歯が生える時期が近づき歯ぐきが膨らんで

かたくなってきます。

個人差はありますが歯はまだ生えていません。

舌の動きは前後運動が中心です。

固形物を食べるための第一歩は

固形物を口に入れることから慣れさせて最終的に

唇を閉じて舌と唇の中に入れて食べ物を口の中に取り込む

ことができる事を目標にします。

調理形態はなめらかにすりつぶした状態です。

 

 

新生児の時には口は開いています。

富士口とも言われます。(富士山のような口の形)

口呼吸にならないようにするには

唇を閉じることが大切です。

離乳食初期は口唇を閉じてゴックンと飲み込むこと!

が非常にポイントになります。

しっかり口唇を閉じさせて

口唇閉鎖力(唇を閉じる力)を育てましょう。

口唇閉鎖力は3歳までに急速に発達します。

 

ここでしっかり唇を閉じる経験を積まず

唇を閉じることを習得できないと

大きくなってもお口がポカーンと開いて口呼吸になったり

食事中にくちゃくちゃ食べたり

ポロポロこぼすようになります…

口唇閉鎖力がついて唇を閉じれるようになると

唇の形も富士口から引き締まった見た目に変わります!

唇を閉じる機能を習得できないと

大きくなっても富士口のままです!

そういった締まりのないお口のお子さん

非常に多いんですよ…(・・;)

 

そうならないためにも

具体的な離乳食の初期の進め方のポイントはというと…

 

《離乳食初期(口唇食べ期)のポイント》

①上下口唇を閉じて食べる練習をする(補食)

②液体部分がない均等なペースト状にする

マグマグなどのスパウト、ストロー飲みは厳禁

ひとつずつ詳しく説明します。

 

《①上下口唇を閉じて食べる練習をする(補食)》

最初は舌が出てしまったりパクパクと口が動くだけで

しっかり口唇を閉じながら食べることができません。

ここで注意してほしいのが

食べ物を口の中にスプーンでつっこんで

食べさせることは絶対に辞めてください!

取り込みやすいような平たいスプーンで

下唇の上に置いて自分から唇を閉じて『補食』させる!!

舌が唇の内側に入ること!!

が非常に大切なポイントです!

この時期はまだ上唇がおりず下唇が内側に入り込むように

離乳食を取り込みます。

唇を閉じることが口呼吸の防止に繋がります。

舌を内側に入れて食べることが

おっぱいを飲むための乳児嚥下から

固形物を飲み込むときの正しい飲み込みかたである

成熟嚥下への移行に繋がります!

 

●食べさせ方のポイント

スプーンの使い方!

スプーンで下唇をやさしくつついて

「ごはんですよ。」「おかゆですよ。」といいながら

スプーンを下唇にのせます。

唇で挟むまで待ち

スプーンからゴクンと飲み込むのを確認してから

スプーンを引き抜きます。 

 

上半身は少し後ろに傾けると飲み込みやすいです!

 

口の動き!

口唇を閉じて飲み込むとき

上唇の形は変わらずに下唇が内側に入ります。

 

ちなみに乳児嚥下はおっぱいを飲むためだけの

飲み込み方です。

舌を前に突きだしてのみこみます。

離乳食を正しく段階的に進めれば

乳児嚥下はなくなります。

乳汁(液体)を飲むための乳児嚥下から

食べ物(固形物)を飲み込むための成熟嚥下へ

上手く移行することが離乳食の役目でもあります!

 

大きくなっても乳児嚥下がのこっていることを

異常嚥下(誤った飲み込みかた)といいます。

歯並びが悪くなる大きな原因です!

成熟嚥下(正しい飲み込みかた)は

舌を前に突きだしません!

上あごにくっつけてのみこみます。

唾や食べ物を飲み込むたびに

上あごが舌に押されて圧がかかり

上あごは広がって成長するのです。

乳児嚥下のままでは上あごに舌がふれることなく

あごは全く成長しないので

あごは小さいまま歯並びが悪くなります。

 

《② 液体部分がない均一なペースト状にする》

たとえば10倍粥をそのまま舌にのせると

粥の部分と水分の部分が分離します。

水分の部分は舌の上で広がっていきます。

乳児はこれを必然的に「ミルク」と同じように

乳児嚥下でのみこもうとします。

そうなると固形食への切り替えがあやふやになり

成熟嚥下(正しい飲み込みかた)の練習ができず

乳児嚥下が残存する原因となります。

なので離乳食開始時期には10倍粥をしっかりとすりつぶし

完全に均等なペースト状にして

水分と分離しない状態にすることが大切です。

 

ちなみに断乳は第一乳臼歯が生えそろう

1歳6ヶ月には完了することをおすすめしています。

1歳6ヶ月まではおっぱいを飲むときは乳児嚥下

離乳食(固形食)を食べるときは成熟嚥下を行います。

しっかりと切り替えができるようにすることが

非常に大切です。

 

《③マグマグなどのスパウト、ストロー飲みは厳禁》

口の機能的発達を考えると

スパウトやストローは最悪です。

便利ですけどね…すみません…

口の機能的発達からすると

コップ飲みが先にです!

スパウトやストローはおっぱいを飲むときの

乳児嚥下と同じように舌を前に突きだして飲むので

乳児嚥下がいつまでも残りやすくなります。

水分の摂取はコップ飲みの練習によって

すすり飲みを覚えていく過程で獲得していきます。

スパウトやストローを使っていると

低位舌(舌の位置が低い状態)を招き

歯並びが悪くなる原因にもなります。

生後5~6ヶ月はまだ母乳や哺乳瓶で

水分摂取を行うようにしましょう!

コップ飲みの練習は離乳食中期で説明しますね。

 

とにかく離乳食初期は口唇食べ期です!

必ず赤ちゃんが自ら唇を閉じて補食するまで

スプーンは下唇に乗せたまま

じっと待ちましょう!

口唇を閉じて補食する発達を飛ばしてしまうと

中期での口の機能的発達も習得できません!

 

何度もいいますが

発達段階に応じて段階的に

正しい口腔機能を習得することが

口腔機能発達不全症の予防には非常に重要です!

 

次回は離乳食中期のポイントをお伝えしますね(^^)/

 

 

 

 

 

 

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